★GDPデータから見えるもの
内閣府が18日発表した2021年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、実質値で前期比1.3%減、年率換算では5.1%減だった。
緊急事態宣言の再発令による外出自粛で個人消費が大きく減少した。
生活実感に近い名目GDPは前期比1.6%減、年率では6.3%減。名目でも3四半期ぶりマイナス。
主な項目では
(1)民間需要の動向
民間最終消費支出については、外食、自動車が足を引っ張り実質1.4%減
民間住宅については、実質 1.1%増。
民間企業設備については、実質1.4%減
通信機械・同関連機器、自動車への投資の減少が主な理由。
民間在庫変動のGDP寄与度については、実質 0.3%増。
(2)公的需要の動向
政府最終消費支出については、実質1.8%減。コロナ禍で医者にかかる人も減り、医療費等が減少
(3)輸出入の動向
輸出については、実質 2.3%増。電子部品・デバイス等が増加。
輸入については、実質 4.0%増。医薬品等(コロナワクチン?)の輸入が主たる理由。
報道では新型コロナワクチンの接種が進めば経済は回復してくるはず、との政府閣僚のコメントが出ていたが、それは甘いと思う。
既にアメリカではGDP規模では、ほぼコロナ前の水準に戻っている、との報道もあり、今後は経済の過熱を抑えるために金融は引締め気味になると思われる。
1月~3月期の米国、中国の実質GDPの伸び率(対前年同期比)は米国6.4%増。 中国2.4%増。日本の落ち込みは異常とも言えるレベル。
日本経済は輸出を中心とした外需が牽引する関係からアメリカが引き締め政策を取れば、輸出の落ち込み、日本企業の株価の下落から再度消費の手控えが起こる可能性が高く、日本はコロナショックによる不景気を脱しないままさらなる景気の落ち込みに陥る可能性が高い。
株式投資の一つの視点としてはバイデン政権の経済政策で恩恵を受けそうな銘柄をマークしておくこと。インフラ投資関連銘柄である。
株探で「インフラ輸出」を検索して、その中から海外売上高比率、特にアメリカでの売上が多い銘柄を調べる価値はある。
【インフラ輸出(インフラシステム輸出)】関連が株式テーマの銘柄一覧 | 株探 (kabutan.jp)
テレビ東京系のニュース番組ではコマツを取り上げていたが、チャート的には買うタイミングではない。
コマツ(6301)の月足チャートでは三尊天井を形成しそうな雰囲気で、今は投資するタイミングではなさそう。
投資指標を見ると、ROEが8%未満というのは筆者の基準では物足りない。今期の予想ROEは7.63%を見込んでいるがまずは1Qの進捗を確認したい。
上記、株探で「インフラ輸出」を検索してみると、水関連ビジネスもカバーしている銘柄の株価が勢いよく上昇している。日本では気づかないが、全世界的には水は不足している。