株式市場にはなんで??? という事が良くある。
例えばTBS(9401)
この記事を書いている2021年11月26日時点での時価総額は3,157億円。
配当利回りは1.66%。
自己株式を除いた実質的な発行済株数は170,872,482株。ここ数年、年間配当は30円なので配当として社外流出する現金は
30円✕170,872,482株= 約51億2,620万円
株探によるとTBSが保有する他社の株式は時価総額で約3,835億円でその配当利回りは2.42%。つまりTBSは年間で約92億4440万円の配当を得ている。
方や年間約92億4440万円の配当収入を得て、自社が支払う配当額は51億2,620万円つまりTBSは差額の約41億円が儲けとなる。
そのTBSだが、東京エレクトロン(8035)の株式を599万1千株保有しており、その時価総額だけで3644億9千万円だ。
TBSの時価総額は3157億円(2021/11/26現在)で、東京エレクトロン分の持ち分時価総額よりも500億円近くも低い。ちょっとおかしくないか?
2021年11月26日現在、TBSの株価は1,807円。1株あたり純資産は4,873.9円。つまり投資家としては、
今TBS株を1,807円で買い、直ちにTBSが廃業、解散してくれれば、4,873.9円が戻ってくるという計算になる。
これが「PBR1倍割れ」という事の意味だ。
なぜこんなことになるのか? これは経営陣の怠慢ではないか? というのが筆者の第一印象だ。
我々投資家としては、これを「TBSは株価はかなり上昇する可能性を秘めている」と見るか、または「TBSはこの先、ジリ貧でもはや投資するには値しない銘柄」と見るかは判断の分かれるところ。
しかし少なくとも今は、投資家はその保有資産額を遥かに下回る程度にしかTBSを評価していないことになる。
日本にはこのような銘柄がゴロゴロしている。