資産一億円への道 diary

資産一億円達成のための道しるべ

パンデミックとお酒

高橋活日命(たかはしいくひのみこと)という『日本書紀』に登場する神がいる。
この神様、酒造りの杜氏の神様として奈良県桜井市三輪の大神神社・摂社「活日(いくひ)神社」に祀られており、三輪は日本の酒造り発祥の地といわれる。

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活日(いくひ)神社

 

日本書紀によると、我が国初の疫病が流行したのは崇神天皇の治世時。


第十代崇神天皇(実在の確認ができる最古の天皇)時代、国は疫病の流行で混乱を極めて人口の半分が亡くなった。天皇は神託に従い大物主神(おおものぬしのかみ)を祀ることとし今の奈良の三輪山に大神(おおみわ)神社を建立。それでも疫病は静まらない中、大物主神から夢のお告げがあり「私の子孫である大田田根子(おおたたねこ)を祭主にし、酒を奉納しなさい」とのこと。

 

そこで天皇は「高橋活日命(たかはしいくひのみこと」を呼び、一夜で酒造りを行い神酒を奉納。すると疫病は去り、国は再び富みはじめた、という。

 

それ以降も我が国は度々疫病に見舞われ、その度に時の為政者は神社仏閣の建立や祭礼を行い、お酒を奉納し神仏の御加護を願った。つまり酒は国の繁栄、民の安寧、神事に欠かせぬものなのだが、今の日本では酒は疫病拡散要因の一つと見なされ、時短営業どころか酒の提供を禁止するという暴挙の被害を受け、関連する業種に従事している人々は苦しめられている。

 

特に地方の規模の小さな酒造メーカーは純米酒など質の高い酒を売り物にしてきたがスーパーで扱ってもらえるほどの生産量がなく、酒卸問屋を通じて飲食店で消費してもらうことで事業を成り立たせてきた。ネット通販を通じてなんとか遣り繰りしているものの、これら小規模酒造メーカーの売上は通常時の5割程度まで落ち込んでいるそうだ。

 

日本酒の魅力は、その地方地方の特色や伝統を色濃く宿し、多様な文化価値を提供している。地方の酒蔵が次々と廃業する、なんてことは何としても避けたい。