はっしゃんさんという方の書かれた「決算書3分速読からの10倍株の探し方」という本が投資家の間で評判という噂を聞きつけて読んでみた。
筆者なりの解釈としては、この本は
- 月足チャートを眺め上昇トレンドを形成している銘柄を継続監視候補とする
- 継続監視候補とした銘柄のチャートが過去、四半期決算に素直に反応しているか確認。増収増益発表で株価が素直に上昇している事が多ければ候補として残すが、そうでない場合は候補から外す
- 次回の四半期決算で好決算が発表されれ株価が上昇すれば流れに乗る。
- 成長ストーリーが崩れない限りその銘柄を保持し続ける
- 保持し続けた銘柄で決算が想定外となり成長シナリオが崩れた、または成長シナリオは崩れていないのに株価が崩れ含み損が発生したら即撤退
というもの。
アマゾンの書評を見ていると「素晴らしい!」というコメントと「株を始めたばかりの人には難しくてお勧めできない」というコメントもあります。
ファイナンスの理論も取り入れている本なので、ややとっつきにくい印象はありますが良書です。
書の中で印象に残ったのは、
「株価が右上がりを前提とする成長株投資では"含み損"という概念自体がない。"含み損"は単なるエントリータイミングのミス」
「売上が2倍になれば、利益も2倍になり、株価も2倍になる」というのが成長株投資の基本となる考え方。
本の中での成長株候補の条件は
- 売上、経常利益が5年連続で増収、増益になっていること
- 今期予想も増収増益見込みとなっていること
- キャッシュフロー・ステートメントで「現金、現金同等物」の値が増えている
- 純資産の額が増えている
- 株価のトレンドと業績の連動性を確認し、連動している銘柄を投資候補とする
ここで注目するのが、前年度の同四半期と比べた増減率。3年で2倍のメドとなる「年25%以上」を目安とする、というもの。ただし、これをクリアしていなくても、有望な業態であれば将来性に期待して買うこともあるとのこと。
その他にも細かい条件は色々と書かれていますが、大体このくらいを押さえておけば良いと思います。
これらの条件を備えた銘柄を株価が反応する直前、または直後に買うのがベスト。
エントリータイミングとしては以下の「成長の初期段階」が理想
1. 成長の初動段階
→ 前年同期比100%割れが続く状態から、100%超えへと転換
2. 低成長からの加速段階
→ 前年同期比100%が110%、120%と10%程度の上振れとともに増加
3. 高成長入り
→ 前年同期比130%以上
このような区分を行うのは、株価上昇の初動を狙って割安な段階での先回り買いを狙うため。足元で好業績銘柄を選ぶ方法も悪くはないのだが、その多くが既に人気化しており割高なことが多く、高値掴みを避ける意図がある。
その後はチャートと相談になる。
その他気がついた事があれば、別途書いていきます。